2025年もよろしくお願いします。
昨年、2024年は、シバイバ、立ち上げの年でした。
三浦まり教授のクラスが2024年2月15日に開始
将基面貴巳教授のクラスがその2日後の2月17日に開始
稲垣諭教授のクラスがその12日後の2月29日に開始
小説家大前粟生さんのクラスがその3日後の3月3日に開始
映画とかドラマは影響力があるから、社会問題のことを作品で扱うなら「ちゃんと学んでから作りましょう」というコンセプトで始めたシバイバでしたが、まずは「講師」となる方々の「協力」があればこそのスタートでした。
ふたを開けると刺激的な授業の日々でした。
なんと言っても、まだエンタメ作品化されていないような、教授や小説家たちの生々しい知見に触れられるのですから!
そして、その学んだ成果を参加者には短編演劇として形にしてもらいました。6月、学習の成果を「傑作の種子」を選ぶ短編演劇祭「SEED」として開催。49個の作品の企画が提出され、互選で18個に絞って上演しました。
初めて書いた人もいますし、なにしろ学んですぐの発表だから練れていないものが少なくありませんでした。けど、「なんとかこの世の中にある問題を解決したい」という気持ちは全作品に充満していましたし、「傑作の種子」は本当にあって、現在そのいつくかを映画化・ドラマ化で開発中です。
ただ、シバイバはシナリオ教室をやるつもりはないのですが、「傑作の種子」を「傑作」にするには、もうひと味、技術的な何かが必要なのも事実だと痛感しています。「社会派ドラマを学んで作る」の、「学んで」まではできたけれども、それを「作る」にむすびつけること、あるいは「見せる」とか「魅せる」に結びつけることにはもう1つ、もう2つ、もう3つ…スキルアップが必要だなと、課題も残した結果となりました。
とは言え、大事なのはチャレンジすること…じゃないかと思うんです。トライすれば、学びがあります。痛いほど学んだので、それを活かした運営とチャレンジを今後も行っていきたい、そう思った次第です。
そして、9月24日からは、公益社団法人「ギャンブル依存症問題を考える会」の代表理事、田中紀子さんや俳優の高知東生さんの協力を得て、全10回のクラス「依存症を学び、依存症の物語を作る講座」を開催しました。
これやってみてからわかったのですが全10回は神回の連続でした。
田中紀子さんの知識と経験と、表現能力の高さと知見の幅の広さから、「依存症を学び、依存症の物語を作る講座」は、ギャンブル依存症だけではなく、薬物依存症、アルコール依存症などもカバーし、それに関しての学術的な見解から、政治的な展開から、依存症患者の声、依存症患者の家族の声、依存症治療者たちの声、想像つかないほどあらゆることが網羅され、しかもそれが面白かった。依存症と言えば苦しんでいる本人や家族の話みたいに思われるかもですが、確かにそういう部分はあるのですが、田中紀子さんが話すとそれは、面白い話、不謹慎ではなくて切実さもありながら、面白い話として、参加者たちがワクワクして聞くことが出来た。「依存症の物語を作る」という点においては、毎回、傑作の種子になりそうなヒント満載のクラスでした。
このクラスについてはアーカイブがありますので興味があれば見ていただければと思うのですが、依存症を知りたい方、その物語を作りたい方はこれをみてほしいです。すべてが網羅されています。し、面白いです。→「依存症を学び、依存症の物語を作る講座」
「依存症を学び、依存症の物語を作る講座」は、田中紀子さんが代表理事を務める団体である「ギャンブル依存症問題を考える会」のスタッフの皆様のサポートもいただき、アットホームでいたわり合いのある素敵な会として運営することが出来ました。本当にありがとうございました。
とは言え、この「依存症を学び、依存症の物語を作る講座」は授業は終わりましたが、その参加者の作品創作と提出はまだこれからです。「傑作の種子」が生まれるように、サポートさせていただく所存です。
そして、新年、第一弾の講座も始まります。題して「映画は社会変革にどう貢献できるのか、将基面貴巳教授とともに考える講座」です。
将基面教授には昨年の2月からのクラスでも講師をしていただいていたのですが、それはご著書の「従順さのどこがいけないのか」の内容に即して、逆らい難い公権力に従順であった人があることをきっかけに戦うことになるさまを描いた7本の映画を見て、その考察と分析をみんなで行うというものでした。映画を見て感想を言い合うみたいなのはもしかしたら日常にもあるかもしれませんが、それを政治学的な観点で語るというのがとっても知的にエキサイトする時間でした。もちろん、参加者がみんな政治学的な素養があるというわけではありません。が、将基面教授のガイドがあるうえだと、どんどん、映画をそういう観点から考察できるようになるわけです。第一回目のクラスとかおとなしかった参加者が、後半になるにしたがってどんどん意見を言うようになり、それこそ日本人にありがちの「従順さ」から抜け出していくさまが面白かったです。で、新しく始めるのは、同じように映画を見て、将基面教授のガイドのもと、参加者みんなで議論して、というのは同じなのですが、そこにもう一点、「創作論」という点を加えて議論をできればと思います。映画監督やプロデューサー、脚本家の「創作意図」をうけて創作されている「作品(今回の場合は映画)」の創作表現が適切なのかどうかということを考えていきたいと思っています。そこで得られた知見は、ご自分の創作を行う時に役立つものとなるはずです。同じ映画を見てみんなで議論するというだけでもワクワクするのですが、それに加えて、将基面教授の知見を頼りにより深く映画を考察し、そして最終的には、創作のヒントを手に入れる。ぜひ、いろんなかたに参加していただけると嬉しいです。→「映画は社会変革にどう貢献できるのか、将基面貴巳教授とともに考える講座」
ということで、2025年もよろしくお願いします。これからもワクワクしつつ学べる場所として、そしてそこで生まれた作品の卵を育てていく場所として、シバイバは頑張りたいと思います。
2025年1月7日