シバイバ出演者募集

はじめに

世の中が複雑になっていけばなっていくほど、問題解決の方法が難しくなっていると思っていて、その問題を分かりやすく、かつ面白く分からせてくれるドラマや映画があったらいいなと考えて、2024年2月「学んで書いて創り出す」シバイバという場所をはじめたのですが、ついに、その結果を見せる日が迫って参りました。今回は、その結果の作品に出演していただける俳優さんたちを募集します!!!

なにを学んできたのか

シバイバに集まった創作家たちは、これまで次の4つの講座でいろいろなことを学んできました。


【三浦まり上智大学教授クラス】
まず上智大学教授の三浦まり先生のクラスでは、先生の著書「さらば、男性政治」をテキストにして、現在日本の、男性ばかりで行われる政治(=男性政治)によって、どんな問題が生まれ、とくに女性や子供たちやトランスジェンダーや、男性社会になじみにくい男性たちがいかに不利益を被っているか、そしてそのことが、ジェンダーに関わらず未来に生きる人々を苦しめる可能背があるのかを学び、それをどうやって変えて行ったらいいのかを、いち早く男性政治から抜け出している諸外国を例に学んできました。
https://shibaiba.com/archives/289
 
【将基面貴巳オタゴ大学教授クラス】
「従順さのどこがいけないか」というご著書のあるニュージーランド・オタゴ大学の将基面貴巳教授からは、民衆がいかに権力や権威に対して「従順になりやすいか」を学び、その結果としてどのような悲劇が生まれてきたかを学び、またその悲劇を避けるために、どのようにして「従順さ」をかなぐり捨てて、権力や権威と戦うべきなのかということを、そのような場面が描かれる名作映画を検証しながら学びました。
https://shibaiba.com/archives/392
 
【稲垣諭東洋大学教授クラス】
「「くぐり抜け」の哲学」というご著書のある東洋大学の稲垣経諭教授からは、「共感」に含まれる加害性を意識することを学び、そのうえで共感の「不」可能性を知りながらも諦めずに他者に歩み寄る姿勢を続けることの重要さを学び、おずおずとさしのべる臆病な手によってしか触れることのできない傷つきやすい現代という時代の核心に触れる方法を学びました。
https://shibaiba.com/archives/398
 
【小説家・大前粟生氏クラス】
大前粟生さんの作品「ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい」の主人公は他人を傷つけてしまう可能性のある自分自身の男性性に苦しみます。そういった男性の姿はこれまでの小説では描かれてこなかったものでした。本講座の参加者たちは、そのような姿勢を持つ大前さんと共に沢山の小説を書きながら、時代の変化を敏感に察知しそれをエンターテイメントの中に溶け込ませる方法を学びました。
https://shibaiba.com/archives/1198 

学んできたものをどうするのか

映画や演劇やドラマ、そして小説や漫画などにおいてもそうですが、重要なのは「物語」です。シバイバでは学んできたことを「物語」にしていくことをまず行いました。どれだけの参加者たちが物語を作ってくれるのか分からず、もしかしたら、2個とか3個とかだったらどうしようと不安の中で待っていたところ、なんと、49個もの企画が提出されて嬉しい悲鳴をあげることになりました。とはいえ、49個全部を作品にするのは非現実的すぎます・・・というので、皆で互いの作品を読み合って、講師も一緒になり、どれを作品にすべきかの投票を行うことにしました。そして、選ばれたのが、18個の「傑作の種子」たちです。今回、シバイバでは、この18個の企画を1つ20分程度の短編演劇にして披露したいと考えています。そして、次は見に来た沢山のお客様に選んでほしいのです。どれを一番長編にしてみたいのかを。その18個の「傑作の種子」たちを披露するのが、その名もまさに「SEED」未来のための種子を披露する演劇祭です。ぜひとも俳優の皆様たちに参加していただいて種子たちから伸びる美しい花を咲かさせてほしいです。 

18個の「傑作の種子」と募集する役

それぞれの物語を詳しく書いてしまうとものすごく長くなってしまうので、それぞれ1行程度で紹介します。そしてその後に、募集する配役をご説明したいと思います。


まず、三浦先生のクラス参加者からの企画です。 

(1)「Not ヒロイン, Iʼmヒーロー」
 女は社会の添え物であると刷り込まれてきた女性記者がある女性政治家に出会う話。
(募集する配役)
・諦めている女性記者・律子役、30代女性に見える方
・戦う女性政治家・光役、40代~50代女性に見える方
・光を支える政治家秘書役、30代~40代女性に見える方
・パワハラを受けた男/パワハラをする男役、30代~50代男性、ひとり2役 

(2)「黒点」
 男性政治が覆った未来、再び男性政治を復活させようとする人々があらわれる話。
(募集する配役)
・男性政治を復活させたい男役、20代から30代男性に見える方
・平等な世界を勝ち取った女性政治家役、50代以上の女性に見える方
・この世界をさらに良くしようとしている若い活動家役、20代に見える方
・無自覚に偏見を持っているジャーナリスト役、30代に見える方 

(3)「私のぐちに清き一票を!」
 SNSでバズった女性が選挙に出ることになり、しだいに問題の本質に気付いていく話。
(募集する配役)
・夫頼りで第二子妊娠中の女性真紀役、30代女性に見える方
・公務員で上昇志向はない真紀の夫役、30代から40代男性に見える方
・バリキャリから革新政党事務に転職する知美佳役、30代女性に見える方
・保守党の大物政治家役、60代~80代男性に見える方 

(4)「選択」
 あることをきっかけに選挙に出ようと思い始めた女性が親友に止められる話。
(募集する配役)
・選挙に出ようとする俳優役、25歳女性に見える方
・彼女のことを気遣う先輩俳優役、30代女性に見える方
・現状を変えたい男性政治家役、40代~50代男性に見える方
・現状を維持したい男性政治家役、40代~50代男性に見える方 

(5)「ついている議員」
 60歳の男性議員は自分の「弱さ」を認めることができるのか?という話。
(募集する配役)
・建設会社の経営もしている町会議員大造役、60代男性に見える方
・大造の一人娘で同性パートナーと暮らす桃役、30代女性に見える方
・桃の同級生で昔イジメたことを反省している裕太役、30代男性に見える方
・大造の先輩で桃の変な噂を流したことのある男役、60代~70代男性に見える方 



つぎに、将基面先生のクラス参加者からの企画です。

(6)「花束」
 親友の死を止められなかった16歳の女性が街頭で世界に向かって語りかける話。
(募集する配役)
・家庭の貧困からパパ活をしていた美麗役、16歳女性に見える方
・仲の良い両親のもとで天真爛漫に育った香澄役、16歳女性に見える方
・正義感から他人と衝突しがちな智沙役、16歳女性に見える方

(7)「半纏(はんてん)」
 上司がヘンテコな服を着てきたのでそれを真似せざるを得なくなる社員たちの話。
(募集する配役)
・本人は真剣なのだがズレている会社のCEO役、30代~50代男性に見える方
・CEOの評価を気にしている社員役、30代~70代に見える方
・異性の評価を気にする社員役、30代~50代に見える方
・世間の評価を気にする社員役、30代~50代に見える方

(8)「革命前夜」
 テロを起こそうと準備をしていたところに、ある男が紛れ込んできてしまう話。
(募集する配役)
・テロの現場に空き巣に入ってしまう男役、男性に見える方
・テロの首謀者、テロリスト1役、年齢性別不問
・テロリスト1の家族、恋人、友人、テロリスト2役、年齢性別不問
・政治や法律に詳しくテロリストを支援している人物役、年齢性別不問

(9)「遺言試験」
 小学校時代の慕っていた担任が自殺したと知らされ納得いかない元生徒たちが集まる話。
(募集する配役)
・教職を志望して大学に通うミヤマ役、20代男性に見える方
・フェミニズムに興味を持っているオハラ役、20代女性に見える方
・最近まで先生と共にいた教師のセガワ役、30代に見える方
・先生の生徒である⼩学⽣マコト役、10代に見える方

(10)「THE SEED -思考と時間-」
 夫の仕事の都合で東京に越してきた女性が「正しさ」について哲学的思考を始める話。
(募集する配役)
・新しい会社でイジメにあう妻役、40代前半の女性に見える方
・自分のことに精いっぱいな夫役、40代前半の男性に見える方
・会社のことは何でも知っているお局さま役、50代~60代女性に見える方
・妻の新しい職場での同僚役、30代~40代女性に見える方 



つぎに、稲垣先生のクラス参加者からの企画です。

(11)「ヂアロオグ・プランタニエ」
 1920年に書かれた岸田國士の戯曲を現代にアップデートする話。
(募集する配役)
・由美子役、40代~50代女性に見える方
・奈緒子役、30代~40代女性に見える方
・先生役、50代男性に見える方
・プロデューサー役、50代男性に見える方

(12)「新米監督の習作」
 自分の規範が誰よりも優れていると考えている人間の経験をくぐり抜ける話。
(募集する配役)
・強い意志を持っている演出家、30代~40代男性に見える方
・大人しく事なかれ主義な女性、20代女性に見える方(俳優決定済)
・マイペースで物おじしない男性、20代男性に見える方(俳優決定済)
・違うと思うことには毅然として反対できる女性、30代女性に見える方

(13)「エンディング・セレモニー」
 葬儀および人の記憶をくぐり抜けることでジェンダー意識の変容と不変を描く話。
(募集する配役)
・60代~70代女性に見える方
・40代~50代男性に見える方
・40代~50代女性に見える方
・20代男性に見える方

(14)「カガミ(仮)」
 自伝がドラマ化され、他人に自分という人間が演じられることに違和感を抱く女性俳優の話。
(募集する配役)
・天才俳優と名高い俳優とらこ役、20代から60代女性。トランス女性。ノンバイナリー。
・とらこに憧れて俳優になったまきこ役(俳優決定済)
・とらこがかつて演じた聾者役の役作りに協力したろう者つるこ役(俳優決定済)
※この話は、稽古・本番には聾者通訳が付きます。



つぎに、大前粟生さんのクラス参加者からの企画です。
 
(15)「グッドバイハロー」
 日々の不調の原因を探ると小学生時に経験したある事件に思い当たる高校生の話。
(募集する配役)
・高校生のシマコ役(俳優決定済)
・小学生のシマコ役(俳優決定済)

(16)「人間博物館」
  社会に役立つ人間の寄贈を求める人間博物館に寄贈すべき人間を探す人々の話。
(募集する配役)
・単位取得のために人間博物館を訪れる大学生ミツキ役、20代女性に見える方
・陽キャでポジティブな大学生アヤカ役、20代女性に見える方
・落ち着いた物腰の大学生ヤスト役、20代男性に見える方
・人間博物館の案内人役、20代~70代女性に見える方

(17)「地雷を踏んでさようなら」
  事故で両足を切断した女性陸上選手と彼女の姉と彼女の婚約者の話。
(募集する配役)
・姉役、30代女性に見え、落ち着いてて一般常識がありそうな方
・妹役、20代女性に見え、スポーツ選手に見える方
・妹の婚約者役、婚約に至る物語が見える方

(18)「眠られぬ九月の夜よ」
  曾祖父が関東大震災後の朝鮮人虐殺に加担していたことを知る女性の話。
(募集する配役)
・ひなた役、20代女性に見える方
・さち役、50代女性に見える方、和装が得意で短歌などに詳しいと嬉しい 

映画化・ドラマ化について

世の中で舞台の映画化やドラマ化というのがたまにあると思うのですが、そういう場合にはたいてい舞台の時の主人公は映画やドラマでは使われず、有名キャストに変わってしまって悔しい思いをするというのが良くあることだと思います。しかしながら、今回演劇祭を主催するシバイバとしては、世の中をよくするために映画やドラマを作っていくと言うのに、有名キャストばかりが使われて俳優間の不平等が拡大していくという状況を良いとは全く考えておりませんので、積極的に、舞台版の主人公たちを映画やドラマで主人公にしていくことにチャレンジしていこうと考えています。

募集するキャスト

上に書いた18個の「傑作の種子」とそこに書かれた役を演じてくださる俳優を募集したいと思っています。時間もありませんので、応募あった方からどんどん決めて行こうと思っています。また、それぞれ20分の作品で、同じ日に上演しない場合もありますので複数出演していただくのもアリだと思うので、やって見たいと思う企画とか役は全部応募してもらったほうが良いかもしれません。

出演の条件

・あらゆる人間の人権を擁護する立場につくことを心掛けたいと思っております。参加する皆様にも同じ姿勢で参加していただきたいと思っております。また、問題のある行動があった場合、互いにそれを指摘し合い、修正をしあえる関係でいたいと考えています。
 
・どのような人も、ハラスメントをする側にも、される側にもなる可能性があります。自分の行動や言動が相手に不快な思いをさせる可能性があります。そのことを理解し、自らの行動や言動が他人を不快にさせていないかに関して注意深くありたいと思っておりますし、参加する皆様にもそうであってほしいと考えています。
 
・合同会社syuz'genの植松侑子さんにハラスメント防止講習をお願いしました。開催は6月4日14:00~16:00、場所は築地の稽古場です。zoomで参加することもできますし、日時に合わない方はアーカイブで見ることもできます。本公演に関わるスタッフ・出演者・創作家など全員に本講習を受講していただきます。
 
・未成年の方は本企画に参加するにあたって保護者の了承が必要です。
 
・稽古場は築地にあります。交通費宿泊費はご自身でご負担お願いします。
 
・本番は築地本願寺ブディストホールで行われます。交通費宿泊費はご自身でご負担お願いします。
 
・スケジュールについて
参加する作品によって稽古日・本番日が違います。
稽古日に関しては、6月1日から6月24日まで行う予定です。
稽古日数は、参加する作品によって異なりますが、おおよそ10日程度となります。
6月22日・23日に関しては合同稽古となります。
本番日は6月25日から30日までの毎日
13時公演、16時半公演、20時公演の三回あります。
それぞれの公演は
演目1→転換→演目2→転換→演目3→ゲストを迎えての品評会
となります。

・ゲストを迎えての品評会は
講座の講師であった先生方と、上演内容に相応しい著名な外部ゲストをお招きして、上演された3作品を見ての感想、その現代的な意義などを語ってもらうものである。
 
・出演料について
出演料はギャランティとチケットバックの合計です。
※以下の金額は消費税を含んだ金額です。

・ギャランティについて
ギャランティは1ステージ税込5,500円をお支払いします。
※1演目出演の場合3ステージ出演ですので税込16,500円がギャランティとなります。
※2演目出演の場合6ステージ出演ですので税込33,000円がギャランティとなります。
※3演目出演の場合9ステージ出演ですので税込49,500円がギャランティとなります。

・チケットバックについて
4,400円のチケット1枚販売したことに対して550円をバックいたします。
※チケット30枚販売すると、チケットバックは税込16,500円となります。
※1演目出演の場合、ギャランティが税込16,500円ですから出演料は税込33,000円となります。

・チケットの販売ノルマはありません。

・出演可能作品数:本番日の被らない作品でしたら、複数作品参加可能です。

・税金の扱い:個人は出演料から所得税を源泉徴収させていただきます。 

応募方法

・メールにて応募ください。
・メールタイトルを「出演希望」として
・メール本文に

(1)お名前、お名前のフリガナ

(2)所属事務所、担当者名、連絡先電話番号(無所属の場合はご自分の連絡先)

(3)稽古期間6/1-6/24、本番期間6/25-6/30のうちNGな日時

(4)6/4 14:00-16:00のハラスメント防止講習にどのような形で参加するかお教えください。
(a)築地稽古場で現地参加する。
(b)当日同時間帯に遠隔地よりzoomで参加する。
(c)アーカイブで視聴する。

(5)出演したい作品・演じたい役をお教えください。
※18個の企画の中の出演希望作品名と演じたい役名を何個でもお書きください。
※どの作品どの役でも構わない場合は、どの作品どの役でも構わないと書いておいてください。
こちらで、合う作品合う役を選んで逆にオファーさせていただきます。

(6)その他、ご自分の特徴など伝えておくべきことあればお書きください。

以上、6点をお書きのうえ、
現在のお姿のわかる写真を貼付してメールするか、

または次のようなエントリーシート
https://shibaiba.com/wp-content/uploads/2024/04/entrysheet.xls
にご自身のことをご記入してメールに添付してシバイバ事務局
info@shibaiba.com
までメールをお送りください。

※到着の速い順で役を決めて参りますので、お早目のメールをお願いします。
※最終〆切は2024年5月12日(日曜日)です。
※また、今回のオーディションで知り得た個人情報は配役以外には使用いたしません。 

選考の方法

応募順に、企画者・演出家・スタッフで送っていただいた資料を見させていただき、作品の意図に合致する方が居られましたら、他の応募の方を待たずに出演を決めさせていただきます。複数候補が申し込まれ悩んだ場合は時間を調整したうえで、会場に来ていただき演技を見させていただくか、zoom面談を行うか、動画をとっていただいてそれを見させえていただいたうえで決めさせていただきます。出演になるかどうかは5月20日までに必ず応募者全員に返信をさせていただきます。メールにて結果は送らせていただきます。