大前粟生さんからのメッセージ

「社会を物語に落とし込む方法」をみなさんといっしょに考えていきたいと思います。

「物語」を作るということは、あなた自身やあなたが描きたい登場人物と社会との距離感について考えることでもあります。「物語」というフィルターを通すことで、人と社会の関係をあなたが望む方向へとメンテナンスしようとしてみたり、世の中に溢れるストレスやよろこびをじっくりと眺めてみたり、私たちの暮らす世界は本当はこうだったかもしれない、こうあり得たかもしれないといった可能性を思い描くことができます。それらの可能性によって、私たちの生活を、社会を、世界を揺さぶりましょう。

創作に「正解はない」ということの豊かさや難しさにみんなで直面し、あなたやあなたが大切に思う人にとってなにか実りある「物語」を作りましょう。

本講座は、作品の良し悪しを決めるという感じではなく、提出していただいた作品に、他にもっとこういう方向があったかもしれない、こういう分岐が、こういうやり方があったかもしれない、という風に、あなたの可能性を残したまま、さらに可能性を広げるようなレビューや雑談をみんなでできたら、と思っています。

私は本業が小説家ですが、講義で提出していただく作品は小説でなくても構いません。シナリオや、漫画、戯曲、プロットだったり、「物語」の断片だったりしてもいいですし、もちろん、一度も「物語」を作ったことがないという方も大歓迎です。最終的には、20分の発表会に向けて8000字くらいのなにかを作れると最高です。(私もほぼ毎回作品を出すのですが、それを通して創作論などもお伝えできたらと思っています)

リラックスして、できるだけ病まずに、お茶でもしながら、おひとりおひとりの作品で世界をビビらせてやりましょう。

みんなで「物語」と社会を考えることで、研ぎ澄まされていくなにかが生まれることを望みます。

大前粟生

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